着物の植物柄はいつ着る?「季節限定柄」と「通年柄」マナー違反にならない完全ガイド

こんにちは!スレンダー着付け®︎のキモノ着付け教室えみたです!

先日、ネットリサイクルショップで「胡蝶蘭」の柄の名古屋帯を見つけました。胡蝶蘭は一年中咲いているイメージだから、季節関係なく着用できるのでは?!と思ってポチりました!

でも、「着物の植物柄は季節によっては着てはいけないらしい…?」
「よくわからなくて着物選びのハードルが高い」と思っている方が、私を含め多いのではないかと思い、調べ、まとめてみました。

この記事が、皆さんの「着物選びの不安解消」のお役に立てると幸いです!

目次

季節の代表的な花・草木

春 3〜5月

  • 桜(さくら)
  • 菜の花(なのはな)
  • あやめ
  • 牡丹(ぼたん)

夏 6〜8月

  • 紫陽花(あじさい)
  • 朝顔(あさがお)
  • 撫子(なでしこ)
  • 桔梗(ききょう)

秋 9〜11月

  • 菊(きく)
  • 紅葉(もみじ)
  • 萩(はぎ)
  • すすき

冬 12〜2月

  • 梅(うめ)
  • 水仙(すいせん)
  • 南天(なんてん)
  • 椿(つばき)

上記の植物がその季節の代表的なものです。

「その季節のイメージだよね〜」と感じるでしょうか。

着物の世界では、「季節を先どりする」のがおしゃれ・粋とされているそうです。

季節を外すと “マナー違反になる!?” 花・草木

季節の植物の中でも、特に「季節が強くイメージされる柄」は、その時期を外すと違和感が出たり、「季節外れはマナー違反」と言われてしまうのではないかとヒヤヒヤしてしまいますよね💦

どんな植物に季節のイメージの強いものがあるか見てみましょう。

春限定

  • 桜 (日本人の誰もが咲く季節をイメージできる)
  • 菜の花 

夏限定

  • 紫陽花 (梅雨のイメージ)
  • 朝顔 (真夏のイメージ)

秋限定

  • 紅葉 (紅葉(こうよう)のイメージ)
  • 萩 

冬限定

  • 梅 (春を待っているイメージ)
  • 南天

ここまで読んでいただくと、

「季節の植物が描かれていると、その時期しか着られないの!?」という疑問が湧きますよね。

答えは「その通り」であり、「でも実はそうでもない」なのです。

柄の描かれ方によって、季節が限定されるかどうかが決まります。

植物の描かれ方を確認する2つのチェックポイント!

1つ目のチェックポイント! 植物が写実的に描かれているかどうか

まずはその植物が「写実的に描かれているかどうか」です。
枝葉までリアルに本物の様に描かれている場合は、限定される可能性が高いです。
例)枝と花がリアルに描かれた梅の柄

柄の描かれ方が、デフォルメされていたり、図案化されて描かれている場合は限定されず、通年着用できるものが多いです。
例)図案化された梅模様の柄

2つ目のチェックポイント! 植物が一種類で描かれているかどうか

次のチェックポイントはその植物が「一種類で描かれているかどうか」です。

写実的に描かれた植物が一種類だけ描かれていたら、季節限定の着物になる可能性が高いです。
例)リアルな梅の花が何本も描かれた柄

写実的に描かれていても、四季の植物が複数描いてある場合は限定されず、通年着用できます。
例)リアルな梅の花、菊や牡丹が一緒に描かれている柄

※植物が複数描かれていても季節が同じ場合は注意が必要です。

装いで季節を感じ、季節と共に楽しむなんて、奥深いおしゃれですよね!

通年着られる柄、吉祥文様って何?

植物の中には通年OKのものもあります。

  • 牡丹

これらの植物は吉祥の意味合いが強いので季節にとらわれずにすみそうです。

吉祥文様とは「幸せや繁栄をもたらす、めでたい印」を表す縁起の良い紋様です。

お馴染みの「松竹梅」や「四君子」と言われる、蘭、竹、梅、菊を組み合わせた紋様。

これらの吉祥文様は季節に関係なく通年着用できます。

また、扇面(せんめん)に花が描かれている場合は吉祥の「器物紋様」になり季節に限定されません。

まとめ:着物選びの不安を自信に変える!

2つのチェックポイントを確認していただけましたか?

  • 植物が写実的に描かれているかどうか
  • 植物が一種類で描かれているかどうか
  • 吉祥文様かどうか

どこを見て判断すればいいかがわかると、気持ちが楽になるのではないでしょうか?

長い期間着用できる着物を探すのもよし!
ご自分の好きなお花が描かれた着物を探すのもよし!

着物の柄は、「季節を少し先取りする」のが粋(いき)とされています。
でも好きなお花が描かれていたら長く着ていたいとも思いますよね。
あまりガチガチに考えすぎず、最終的には、「この季節に違和感があるかな?」という私たち自身の四季の感覚を大切にしていけたら良いのではないでしょうか。

美しい季節を装いで表現することは、着物ならではの楽しみです。
TPOのあるフォーマルな場ではルールを優先しつつ、普段のおしゃれでは、ご自分の「好き」と「季節感」を表現してくださいね。

ちなみに、胡蝶蘭は?

胡蝶蘭やカトレア・ガーベラ・バラ・カサブランカなど洋のイメージが強い花は季節を問わずに着て大丈夫そうです!

しかし、よく見たら…
胡蝶蘭ではない!?!(商品名に胡蝶蘭とあったのでてっきり…)

よく見るとカトレアのような…??…いや、うーん…

実は、花の種類が断定できない柄もよくあるそう。
これは季節に縛られずに着て欲しいという職人さんの心配りだそうです!

お手持ちの着物の柄をよく見てみたら、新しい発見があるかもしれませんね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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